聞こえない声。

声が聞こえない。
つい最近会って会話を交わしたというに、声が思い出せない。
3年とか月日が経てばそんなもんなのか。
ぽっかり空いた穴のようだ。
人は変わるけれども、やっぱり変わらない。
本当に大切な想い出は箱に入れてあるけれども、
ただ大切な想い出は箱と共に埋めた場所もわからなくなった。
そう、そういうことだ。
生きる。生きてく。
首都高湾岸線が混みあっているのが遠めでわかる。
いっきになんだか秋らしくなり、
次第にしんみりしてくる今日この頃。
最近毎日渋谷を経由するが、やっぱ渋谷は変な街だな。
情緒と影が混ざってる感じ。
何より汚い。
絶対歌舞伎町より汚いと思う。
区政のスタンスの違いですかね。
まぁ昨今歌舞伎町浄化作戦、とかいって、
街を健全にしようという動きが随分活発になっているようだし。
そういえば先日、深夜にその歌舞伎町の昨今を特集したドキュメント番組を見た。
歌舞伎町という街の変遷と、これから。
歌舞伎町って、独特の緊張感と居心地の良さがある。
渋谷センター街とは違う。
決して上品ではないが、下品じゃない。
思いっきり日本らしいところでありながら、アジアっぽいと言うか。
色んな境遇の人が居る。
僕はただ、この街を横切っていただけだけれども。
この街に住むことはないし、この街に毎夜通うことも無かった。
ただ、中学生くらいの時から、なんとなく横切ってきた場所。
わりと身近な、幻想がそばにある街。
椎名林檎の「歌舞伎町の女王」は、彼女の作品には珍しく、
本人に立脚しないある女性の姿を描いてる。
作った背景はあまり知らないんだが、
「上京して新宿に初めて来たとき、『JR新宿駅東口から離れてるやん!』と思った」
なんてコメントを呼んだことがある。
 JR新宿駅の東口を出たら そこは私の庭 大遊戯場 歌舞伎町
新宿=歌舞伎町、なんだね。
全国の人がどう思おうと、
やっぱり僕は池袋よりも渋谷よりも、新宿の方がよっぽど安心する。
池袋や渋谷は怖いです。
刺されそうだもん。
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歌舞伎町の女王 / 椎名林檎
蝉の声を聞く度に 目に浮かぶ九十九里浜
皺々の祖母の手を離れ 独りで訪れた歓楽街
ママは此処の女王様 生き写しの様なあたし
誰しもが手を伸べて 子供ながらに魅せられた歓楽街
十五になったあたしを 置いて女王は消えた
毎週金曜日に来ていた男と暮らすのだろう
「一度栄えし者でも必ずや衰えゆく」
その意味を知る時を迎え足を踏み入れたは歓楽街
消えて行った女を憎めど夏は今
女王と云う肩書きを誇らしげに掲げる
女に成ったあたしが売るのは自分だけで
同情を欲したときに全てを失うだろう
JR新宿駅の東口を出たら
其処はあたしの庭 大遊戯場歌舞伎町
今夜からは此の町で娘のあたしが女王
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