ネット世論の恐怖。

早稲田で、昨今の大学生の大麻摘発事件を踏まえて、
学生アンケートをやったらしい。
<早大>学生の1割「周囲に大麻所持者」半数以上が入手可能
確かに1割が入手可能、ってのは驚きだけれど、
それ以上にこの一文が凄い。
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薬物に対する認識では、7.8%が「たばこより害が少ない」と考えており、
6.1%は「一度くらい使っても心や身体への害は少ない」と答えた。
「眠気覚ましに効果がある」としたのは9.2%で、「ストレス解消によい」は14.8%。
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つまり危険性に対する意識も犯罪意識も薄いということか。
よく、オランダは大麻が合法だ、という。
実際はどうか。
オランダ外務省に、その回答がPDFに載ってる。
Dutch Ministry of Foreign Affairs - Social Issues
全文訳したものも、ここのサイトにある。
2003年度のものだけど。
簡単にいえば、オランダは「毒を持って毒を制す」考え方。
下手に強い麻薬に手を出すよりは、弱い麻薬を黙認することで
最悪の事態は回避できるだろう、ということ。
オランダでも、麻薬を持つことは「軽犯罪」なのだけどね。
上の理由で、黙認しているのだ。
大麻を合法化すべきか、とか、
タバコより害が少ないか、という議論は別として。
大麻について検索すると、
ビックリするくらい容認する意見があふれてくる。
え?え?え?というかんじ。
曰くオランダでは合法だ、多くの国では軽犯罪レベルだ、
タバコやお酒のほうが有害だ、などなど。
お酒もタバコもやらない僕にとっては、
どれが有害かっていったら全部有害にしかみえないんだけど。
根拠薄く、容認が語られるのはなんだか怖い。
もちろん、論争に耐えるレベルで容認を訴える人もいれば、
反対を訴える人も、いるんだけどね。
まるで、国民世論は「大麻容認」みたいに見える。
これは一例に過ぎない。
特に怖いのは、ネット世論=国民世論、
と捉えかねない部分だ。
いわば、ネット万能論。
仮にたった一人がネットで語ったことが、
何故か信憑性を持って力を持ち、
多数の意見に見えてしまう。
新聞社やテレビ局がぶち上げる、
メディアを通した世論にも当然、
同じことが言えるのだけれど、
問題は「ネットはそんなことない」という、
根拠の薄い考えがどこか蔓延しているところだと思う。
「国民」が直接Web上に声を上げることができるという、
インターネットの特性からの神話だろう。
現実は、プロ野球オールスターの「川崎事件」のように、
既存のメディアに劣らない危険性があるというのにね。
わかっちゃぁいるけど、ってとこか。
インターネットははたして本当にメディアとなれるのだろうか。
今のところ、まだ「ツール」としての信頼性も、
確保しきれていない気がする。
一人の意見が100人に支持されてるように見せるなど、
ネットの世界では簡単な話なのだから。
これからの時代、やはりネットへの付き合い方は、
よくよく学んでいかなければならないね。
正確で必要な情報を見つけ、
正しい情報発信を行う。
いやー、難しいねぇ。
何しろ、この文章だって、
僕個人の考えだけれど。
やり方次第では、僕が自作自演によって、
多くの支持者が集まってるかのように見せることができてしまうんだから。

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